トップページ 糖尿病性腎症をご存じですか?

糖尿病性腎症とは

糖尿病は

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。 インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。

糖尿病を放っておくと

血糖値が高いままの生活を続けると、血管がもろく、ボロボロになってしまいます。 そして、血糖値の高い状態が続くことで、全身の血管と神経に、適正な栄養の供給が途絶えて全身の臓器にさまざまな障害が起こ ります。 糖尿病の合併症には、大きく分けると細い血管にみられる合併症(細小血管障害)と、太い血管にみられる合併症(大血管障害) の2つがあります。

糖尿病性腎症とは

糖尿病で血糖値の高い状態が長期間続くことで、全身の動脈硬化が進行し始め、毛細血管の塊である腎臓の糸球体でも細かな血管が壊れ、 網の目が破れたり詰まったりして老廃物をろ過することができなくなる病気です。 糖尿病性腎症は、段階を経て病気が進みます。進行すれば、腎不全になり、おしっこ(尿)が出なくなるようになり、人工透析が必要となります。 人工透析になると、透析のための通院が必要で、医療費も高額になり。身体的、経済的な負担が大きくなります。 このため、できるだけ早期に発見し、適切な治療をすることが重要です。

和歌山県の状況

和歌山県では糖尿病で医療機関に受診する方が10万人あたり227人で、全国平均183人と比較して、受診する 方が多い状況です。〔令和2年患者調査(厚生労働省調査)より〕

 また、県内で人工透析を受けている方は令和3年12月31日現在、3,130人で人口10万人あたりでは342人となり、全国平均279人と比較して、透析患者数が多い状況です。〔わが国の慢性透析療法の現況(2021 年 12 月 31 日現在)(日本透析医学会調査)より〕

 なお、令和3年における和歌山県の新規透析導入患者で、原疾患に記入があった導入患者数271名のうち、102 名(37.6%)が糖尿病性腎症によるものです。〔新規透析導入患者と糖尿病性腎症について(日本透析医学会調査)より〕

年1回の特定健診を必ず受診し、基準を超える場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

医療機関の受診基準は以下のとおりです。

糖尿病の検査

検査項目
HbA1c
(ヘモグロビン・エーワンシー)
過去1~2か月の血液中の血糖の状態が分かる
検査項目
HbA1c(%) 5.5以下 今後も継続して健診を受けましょう
5.6~6.4 運動や食生活を改善しましょう
6.5以上 すぐに医療機関を受診しましょう

糖尿病の検査

検査項目
HbA1c
(ヘモグロビン・エーワンシー)
腎臓が、老廃物を体の外に出す力が分かります
クレアチンの検査値と年齢、性別から計算します
腎臓機能低下の重症度の判定に用いられます
尿たんぱく 尿に含まれるたんぱく質で、腎臓の働きが低下するとたんぱくの量が増えます
特定健診の結果
尿たんぱく eGFR(ml/min/1.73m2) ーーー
60以上 今後も継続して健診を受けましょう
45~60未満 医療機関を受診して、もう一度尿検査を受けましょう
45未満 すぐに医療機関を受診しましょう
± 60以上 医療機関を受診して、もう一度尿検査を受けましょう
45~60未満 医療機関を受診して、もう一度尿検査を受けましょう
45未満 すぐに医療機関を受診しましょう
+ 60以上 すぐに医療機関を受診しましょう
45~60未満 すぐに医療機関を受診しましょう
45未満 すぐに医療機関を受診しましょう

詳しくは、和歌山県糖尿病性腎症重症化予防プログラムに基づく(和歌山県 健康推進課ホームページ)を御覧ください。